海老原酒店



 日本酒ができるまで 
 2月初旬、大吟醸の仕込みがはじまります。
 龍ヶ崎の地酒を造っている鞄c中酒造店の南部杜氏 下坂正幸さんによる酒造りをお伝えします。


南部杜氏の下坂正幸さんは、あったかかった。
真心を込めて真剣な眼差しで、丁寧に行われる作業。
温度や湿度を測りながら行っている作業から、
長年の経験からの知恵と勘と共に、
現代の技術を最大限取り入れ、美味しいお酒を造ろうという情熱が、
言葉は少ないがひしひしと伝わってくる。

杜氏の愛情を受けた酒は、樽の中でぷくり ぷくりと発酵しながら、熟成の時を待つ。
発酵中の樽のふたを開けると、フルーツのような、お花のような、
爽やかなやさしい香りが広がる。
下坂杜氏さんのあったかさが、酒を育てている。 そう感じた。

  ※南部杜氏とは、岩手県南部出身の酒造りの頭(かしら)をいいます。 南部杜氏 下坂正幸さん


精米


第一段階の精米。
通常食べるお米も、糠(ぬか)を約10%精米機で取り、白米として食卓にのぼりますが、大吟醸のお米は、さらに米の60%を精米し40%のみの、お米の芯の部分を使って酒を造ります。

お米は、表層部とその付近には、タンパク質・脂肪・無機質等が多く含まれており、これらの成分が酒の中に入り込むと日本酒の香味や色調を劣化させます。このため、よく精米したお米の中心部でお酒を造るのです。精米歩合・製造方法によって酒の種類が決定します。





←酒造好適米の山田錦40%です。すごく小さいです。


<一口メモ>
通常食べられている60%の精米された部分は、どうなるのか、皆さん心配される方が多いですが、ご心配なく。おせんべい屋さんなどに行って、おせんべいなどの食品になってます(^^)。
洗米浸漬

次は洗米。
専用の洗米機で、お米を洗います。
洗う水は、裏庭にある井戸水をろ過した、美味しくて安心な水。
洗米から、水にこだわってます。

洗った米を、水(仕込み水)に約10分間浸します。
蒸す


造り酒屋の朝は早朝から大賑わいです。
酒米を蒸すために大釜に火が入れられ、ぼうぼうと立ちのぼる湯気の中で仕事は始まります。ちょうどいい時間、水に浸したお米を、今度はこの大釜で蒸します。



←酒米を蒸す大釜。直径2m以上ある、千と千尋の神隠しに出てきそうな巨大釜です。




←大釜の上の甑(こしき)から、蒸したお米をスコップで移してる様子。
 ※一般家庭の蒸し器を思い浮かべて下さい。



蒸しあがったお米を麹室へ運び、麹菌が一番醗酵しやすい温度になるまで、手でほぐしながら、広げて冷まします。
麹造り(こうじづくり)


酒造りの工程で、きわめて重要でむずかしいのが麹づくりです。麹の出来具合が酒のタイプや良し悪しを決めるといってもいいくらいです。 麹は蒸し米に麹菌を繁殖させたもので、蒸し米に種麹菌をまいてつくります。温かくて(40度位)、湿気の高い麹室のなかで、およそ2日間かけて湿度を調節しながら入念につくります。24時間、真夜中でも2〜3時間ごとに温度に注意して、赤子を育てるように大事に大事に育てます。この時が一番大変な作業です。

←厳冬期、40度の麹室の中で、汗をかきながら、蒸したお米に麹を均一にまいていきます。

←麹を麹箱に入れて、醗酵させている様子。箱を、上下左右で入れ替えて、温度を一定に保つように見守ります。

<酒つくりのこだわり>
下坂杜氏は、麹造り一週間前から、納豆・みかん(柑橘系類)を食べません。納豆には、古草菌(こそうきん)という菌がおり、麹菌より強い繁殖力をもっているからです。また、みかん等の柑橘類のすっぱさを、麹菌は嫌います。現在の設備では、納豆を食べても大丈夫と研究所からお墨付きを頂いておりますが、大事な麹を間違いなく醗酵させるための、下坂杜氏のこだわりがここにもあります。
酒母(しゅぼ)

酒母とは、麹と蒸し米と水で酵母を培養したものです。蒸し米のでんぷんをブドウ糖に変え、それを分解してアルコールをつくることで、これがアルコール発酵です。この醗酵形式を並行複醗酵といい、日本酒もろみの最も重要な特徴です。酒母の中にあるステンレスの筒は温度を調節するためのものです。
温度が高すぎる時には、冷たい水を、低い時には、お湯を入れて、醗酵にちょうどいい温度を保たせます。
三段仕込み(初添・仲添・留添の3回に分けて仕込む)


もろみは、酒母に麹と蒸し米と水を3回に分けて仕込みます。低い温度で約20日間かけてじっくりと醗酵させ、醗酵が終わるとアルコール分が約20度にもなります。3回に分けて仕込むので3段仕込みと言います。なぜこんな面倒なことをするのかといいますと、一度に大量に仕込むと酒母から乳酸の濃度が薄まりすぎて、もろみに侵入する雑菌の増殖を抑えることが出来なくなるからです。







←仕込んだものを、木のかくはん棒で混ぜ、醗酵を助けます。
熟成もろみ

もろみの醗酵が進むと泡がタンクの上のほうまで膨れ上がります。プツリプツリと小さい泡が立ち、フルーツのような、お花のような、爽やかなやさしい香りが広がります。
上槽(しぼり)

>醗酵の終わったもろみが入れられ、いよいよしぼりが行われます。もろみが入った袋を入れる大きな箱が舟と言われます。    


←日本酒をしぼるために、袋に入れてる様子。









←船に、もろみの入った袋を並べている様子。
原酒

舟に入れたもろみは重石をかけて、ふなぐちからしたたり落ちます。これが原酒です。香り豊かなしぼりたての原酒を飲んだら、もうこたえられません。

原酒は約20度あり、 美味くて少し飲んだだけでも顔がほてってきます。
火入れ殺菌・貯蔵

しぼられた原酒は一度タンクに入れて静かに寝かせます。その時底に沈むオリを取って少量のにごり酒として販売されます。出来上がった日本酒は変化しやすいので、活性炭を使ってろ過され、酵素の破壊と殺菌をかねて60度程度で加熱殺菌します。この過熱操作を「火入れ」と言います。生酒は火入れをしないで低温(マイナス5度位)で貯蔵して瓶詰して販売されます。香り豊かなお酒の出来上がりです。
びん詰

衛生面に細心の注意をし、いよいよ瓶に詰められて店頭に並びます。瓶の色が茶色や緑色をしているのは日光からの紫外線を防ぐためです。日本酒の賞味期限は約一年です。
瓶詰めをし、ラベルを貼って、できあがりです。




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― 連 絡 先 ―
店舗名 地酒と自然食品の店 えびはら
営業時間 AM 9:00 〜 PM 6:30
定休日 毎週 水・日曜日
住 所 茨城県龍ヶ崎市栄町4333
T E L 0297-62-0053
F A X 0297-62-0059
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